リング-らせん-ループ そして『S』

昨日、鈴木光司の『S』を読み終える。
まさに、『リング』、『らせん』から紡がれる『ループ』する世界を三次元の『S』で切り取ったような一部の世界の後日談だった。
リングは刊行されてしばらくたって読んだので、すでに映画がとっくに公開されていて、その映画も見ていなかった(なんか昔から流行りに乗るのはカッコ悪い的なカッコ悪い矜持があった。)。
だから、やはり、とっくにリング三部作の最終章たる、ループも刊行されてたので、一気に三冊を読んだ。
衝撃だった。
ホラーから始まり、それを科学的に解き進めるサスペンス、そして、謎の解明と答えのあり方。
その答えのあり方は、小さいころから思っていた世界の構造への一つの答えであり、やっぱり可能性に過ぎないとしてもその可能性もありますよね!って感じで興奮した。
なんにせよ、後付け感はないとは言えないけど、それでも素晴らしい整合性を保った、素晴らしい展開の物語だった。
なので、映画で様々なリングの続編が出る度に
『正確には、リングはホラーじゃねぇ』って周りの人には愚痴った。

そして、今回の『S』は、リング、らせん、ループの後日談だった。
この物語群を見てきたものからは、ありがとうございますって物語だったが、
個人的にはラストが凄い尻つぼみで残念だった。
他にも残念な点はあるが、その中でも真の主人公が現実世界の愛を貫き通してなかった点が特に期待を裏切られた感はあった。
それでも、あの三部作の色は褪せない。

そこで、ずっと気になってたけどやることがありすぎて敬遠してた、この鈴木光司氏の『エッジ』についに手を出してしまった。
また、読んだら感想を書きます。
ループする世界に、希望を込めて。